お十夜法要(秋のお念仏会)

 十夜(じゅうや)は浄土宗ならではのお念仏の法要です。

毎年、当安威地区の稲刈りが一段落した頃に行います。

本年も、皆様と日常勤行式を基本とした「自行」のためのお念仏をいたしました。

堂内を暗くしてしばしの別時お念仏
堂内を暗くしてしばしの別時お念仏

 今回はご法話の席を設け、当山住職の友人である、福島聴空(ふくしま ちょうくう)上人にご講演「仏教の源流から学ぶ」を賜りました。

 お上人は高野山真言宗のご僧侶であり、徳島県小松島市の現福寺さまのご住職です。

 ご自身の生い立ちから当山住職との出会いのきっかけとなったアメリカ別院でのご修行の話、そして珍しいシルクロード諸国に伝わる弦楽器のドシュプルール(トゥバ共和国)や、トプショール(モンゴル)の演奏のメロディーに、お釈迦さまの御教えをご自身で作曲された歌に乗せて披露していただきました。

福島聴空上人
福島聴空上人
ドシュプールによる歌の披露
ドシュプールによる歌の披露
口琴の披露
口琴の披露
トプショールによる仏伝讃歌の披露
トプショールによる仏伝讃歌の披露

 その他、同じくアルタイ山脈地方に伝わる喉歌や、口琴も披露され、ご参詣の皆様は興味深く耳を傾けておられました。

 

 私達の命は「大切な預かりモノ」であると表現しつつ、「縁起」についてのお話し。お釈迦さまがさとりを開かれるまでを分かり易くお話しいただきました。

 お釈迦さまが逃れられない現実と向き合うために、苦行では無く瞑想によってさとられたというお話しから、「心の安らぎ」を求めるという御教えは、宗派の違いを越えた普遍のものであるということを改めて確認し合ったような気がいたしました。


備考:「お十夜」の由来

『仏説 無量寿経』には…

「この世において、十日十夜の間、お念仏の善行を積むことは、お浄土で千年間善行をすることよりも尊い」と説かれます。

つまり、誘惑の多いこの世で十日間も絶え間なくお念仏の善行をすることは、仏道修行に適した極楽で千年間善を積むよりも、実践しがたく大変尊いということです。

 その教えを実践し、秋のよい時候に新穀を供え、十日十夜にわたり、不断の念仏を修して阿弥陀さまのお慈悲に感謝するのがお十夜のはじまりです。当山ではこれを一日に凝縮(百年分の善行!?)して皆さんとお念仏をおとなえする法要をおこないます。