阿武山光明石-鎌足公伝説の霊石-


最終更新2015/9/29

『光明石』
こうみょうせき・こうみょういし(別名:光る石)
 光明石は大念寺の北東に位置する阿武山(あぶやま)の西側中腹に鎮座する大きな岩です。白灰色をしていて、光が当たると遠くからも見ることができます。
 伝説によれば、藤原鎌足公がこの石より放たれた光明を得たと言われており、それ以後「光明石」と呼ばれるようになったといわれます。

光明石にまつわる幾つかの伝説

『観音さまの石』-

 鎌足公が当地に寺院を建立の後、一夏九旬の間(初夏から夏にかけての安居期間)、毎朝東の山に向かい日輪(太陽)を拝していたところ、観音菩薩が東の山の半腹大石の上に現われ、大光明を放って立たれた。観音さまのお姿を拝することが出来たのは鎌足公のみであったが、その光明は他の諸人にも拝することができ、現在に至るまで3月下旬~8月の間、毎日光明を照らす奇妙不思議な霊光を放つため、その場所を「ひかりの谷」と言い、大石を「光明石」と言い伝えられている。(出典『桑原山地福寺縁起』『蓮門精舎舊詞』)

『大化の改新を決心させた石』-

 鎌足公は神祇伯を辞して当地、三島の地に退き、ここで中大兄皇子(のちの天智天皇)らと蘇我氏を倒す計画を練った。そして阿武山の中腹より光明を得て、計画実行を決意し、ついに蘇我氏を倒して新政権を樹立(乙巳の変・大化の改新)することが叶った。(地元の村誌)

『卜占の石』-

鎌足公を決意づけた石であることから、この光明石は卜占(占い)の石でもあり、この石が光っているときに勝負事などの物事を行うと必ず成功すると言い伝えられている。(安威の村の言い伝え)

光明石の場所

赤い矢印の場所が光明石(クリックして拡大)
赤い矢印の場所が光明石(クリックして拡大)

 安威地区森林組合管理の植林地内に位置していますのでご留意ください。武士(もののふ)自然歩道から斜面を下った場所です。

 ふもとの桑原・大門寺の住宅地からも石を確認することができます(上記写真は大門寺住宅代替地から撮影)。

おおよその地図